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第40話 ページ42

「そーいや、屯所近くに新しい甘味屋が出来たの知ってるか?」

「へへーん、実はもう行ったのですよー」

「マジかよ、誘えよ!!」

天気もいいので並んで歩きながら世間話をしていると、

「おい、」

旦那が大きな声を出す。

「あれ、沖田くんじゃね?」

そーちゃんも非番なのだろう。着流し姿で、隣には女の人が腕を絡めている。

「旦那。だめだよ、」


「え…、」

「そーちゃん、女の人連れてるから、そっとしといたげて。」


「しーっ」と人差し指を立てるあたしを訝しげに見る旦那。



「女の人って…浮気じゃねェか、いーのかよ!」


「へ…?」

「は…?」

「そーちゃん、彼女いるの…?」


「いやいや、Aと沖田くん…できてんじゃねェの…?」



頭にクエスチョンマークを浮かべながら旦那を見詰めていると、彼は表情を戻し、


「この前の慰安会で、キス…してなかった…?」
 

さらに聞いてきた。

「っ…、」

目を逸らせない。


「見間違いだったら、悪ィんだけどよ…」


旦那が真剣な目で見つめ続けてくるから。


Aは少し心を落ち着かせ、しばらく考え込んだ後、


「見間違いじゃ、ない。」


口を開く。


「そっ…か…。」


「……」

「あの日が…ッ、初めて…だよな?」


「……」


「ッ…違ェの…?」


普段は死んだ魚のようと形容される旦那の目もついに大きく見開かれ、


「結構前から…してんのかよ…」

せつなげな声が静かな河原に響いた。


「うん……」

小さく首を縦にふると、旦那はあたしの肩を掴んで、

「A…、」

絞り出すように続ける。



「…そういうの、もうやめろよ…」


やめてよ旦那、そんな顔。


「無理だよ。そーちゃんがいないあたしなんて、あたしじゃないもん。」


ごめんね、あたしたちなんかのために、そんな苦しそうな顔させちゃって、


「一人なんて、苦しい。」

本当に、ごめんね。

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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時

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