第19話 動乱篇 ページ21
あの日から、 そーちゃんとは普通に会話はするけど、どこか溝があるような、ぎくしゃくした関係が続いていた。
そんな中、
「え?遠征?」
「あァ、俺の荷物準備しといてくれィ」
突然、遠征の旨を伝えられた。
「もー…そーちゃん、いっつもギリギリに言うんだからー」
今夜出発という本当にいきなりの指示にブツブツ文句を言いながらも、簡単な荷物を纏めるのは然程時間は掛からない。
「悪ィな…」
「へ…、」
「……」
「やめてよ、そーちゃんが謝るとか気持ち悪いじゃん。」
いつもと違う様子のそーちゃん。なんだかモヤモヤしてきた気持ちの中、纏めた荷物を渡すと。
「A、」
「ん…?」
「今晩…何があっても動じねェ覚悟で来いよ…。」
「え…どういう、」
「俺たちにとって、一瞬の油断が命取りだ。絶対に迷うな。情をかけるな。」
「…うん、わかった…」
そして――――
その晩、
「ッ…これって、」
車両に入ると目に映った光景。
「A、言ったろ。何が合っても、目ェ逸らすんじゃねェぞ。」
近藤さんに刀を向ける見知った顔。
表情を変えず彼らを見つめる近藤さん。そして、
「沖田くん、A、」
無表情でこちらを見る先生。
「何をやっている?君たちは見張りのはず…」
今朝のそーちゃんの言葉を思い出して、「ああ、そういうことだ」って気がついた。
そして、
「そうか、君も…来たのか。」
伊東の独り言ともとれる言葉を聞いても、Aはもう表情を変えることはなかった。
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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時