第16話 ページ18
「そもそも総悟。お前は私生活においても乱れてんだよ」
「………」
「あんまりプライベートの事に口は出したくねーがな、昨日も遅くまで夜遊びして…って聞いてんのか!?」
「あ、居たんですかィ」
「ここは車内!俺が運転してるから動いてんだろーがァァ!」
まだ苛々とする思考の中で先程の事が鮮明に流れていた沖田。どうやら隣の土方はまた何か小言を言ってきていたらしい。
「ったく、昼間っから元気なお人ですねィ。聞いてやりますから簡潔に話してくだせェ」
「マジでいっぺん死ぬかてめー…」
ため息をついて耳を傾けてやれば土方は青筋を浮かべたもののどうしても話したいらし、くわえていた煙草を灰皿に押し付けながら言った。
「お前よォ…真面目に、Aの事どーすんだ。」
「…アンタにゃ関係ねーだろ」
「お前…昨日も花街に出掛けてたじゃねェか。お前はあっちこっちで遊んでるが、アイツにはお前しか居ねェんだ。」
それはAの話。そういえば朝帰りした時に、稽古に出る土方と鉢合わせたなと思いながら黙っているとそこからグチグチ小言が始まる
「前にも言ったが、Aの幸せっつーモンを考えたことはあるか、お前。もし大っぴらになっちまったときに一番傷付くのはAなんだよ…、」
「………」
「近藤さんはあの鈍さだから、多分まだ気づいてねェだろーが…隊士の中には、そろそろ勘付くヤツが出てもおかしくはねェぞ。」
「……土方さん」
「中途半端に縛ってやるな。」
つーか縛ってるってなんだよ。
手元に置いとけてりゃ、こんな苛々してねーよ
グチグチまるで親父の様に言ってくる土方の言葉は、自分の苛々の根元をピンポイントで抉ってきていてうざい。依存しているのは彼女ではなく、実は自分なのだという事実を余計に浮き彫りにし益々自分を不機嫌にする。
「おめーも、もういい年なんだからその辺よく考えてだな…、」
「土方さんってば」
「あ?なんだ?」
だがそんな情けない事言えるはずもない。何も知らずにどんどん自分の触れてはいけない所をえぐってくる土方に沖田はニッコリ笑い
「お願いですからマジで死んでくだせェ」
「なんでだァァァァァ!?」
全ての思いを込めて心からそう言ったのだった
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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時