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第13話 ページ15

「嫌じゃないよ…むしろ、嬉しい。」


徐に顔をあげた彼女。


「真選組であることに誇りを持ってるけど、やっぱり女の子扱いとか…嬉しいし、」


この唇に紡がれた言葉に、今度は俺が目を見開く番。


「さっきの言葉も、嬉しい…」


真っ赤になって再び俯いてしまった彼女。その頭に手をそっと乗せて、


「…あのさっ、銀さんはこう見えても一途なんだわ」


不意に話しかけるとビクッとしてこちらを向く。


「軽い気持ちで言ったわけじゃなくて、」


もっと一緒にいたい。
もっとAのことを知りたい。

「本気、だからな。」

Aと話をしているとついついそんな風に思ってしまう。

「うん…ありがと」

可愛らしく頷くAの頭を、手のひらで優しく撫でた。


その時…。


「こんなとこで何やってんですかィ、旦那。」

丁度一個前の話題の人物沖田が現れる。

「それにA、おめェ何さぼってやがんでィ」

「さぼってないよ、わたし今日は早番だもーん…って、そーちゃんは見廻りでしょ!」


さぼっていると言っておきながら自分もAの隣に座り、Aの体を自分の方に引き寄せる沖田。


「おーおーA、うまそうなもん食ってるじゃねェか…ちょっと分けなせェ」


「一口だよ?はい、あーん。」


「ん」と当たり前のように口を開けて食べさせてもらう沖田くん。


楽しそうにジャレる2人を銀時はぼーっと手に顎を乗せ眺める。

「もう一口、」

「そーちゃん、そー言って全部食べるからヤダ。」

たった二人きりの家族。仲のいい兄妹の絆。

「今度同じの買ってやるから寄越しなせェ、ほら。」

「えーヤダよ。これはあたしが旦那からもらったのー!」

俺が昔からのこいつらを知らないから違和感を覚えるのかも知れない。

そう言われてしまえばそこまでなのだが、この2人の独特な雰囲気。


「いーじゃねェか、ケチケチすんじゃねェ」

「あああ!信じらんない!普通二口で完食する!?」

「ほい、ごちそーさん。」

俺が、本気でAのことが好きだからこそ感じてしまうこの空気は、

「もー、そーちゃん、絶対同じの買ってきてよー」

「へいへい、任せときなせェ」


ひどく俺を不安にさせる。

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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます!コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします! (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ! (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年1月4日 14時

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