不器用な私たち (ページ8)

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8. you ページ8

行為が終わると、ジヨンが突然私を抱きしめた。さっきまでの強引さが嘘のように、優しくて温かいハグだった。

それでも私は怒りなのかショックなのか、自分でも自分の感情が分からないまま、とにかくジヨンを突き放そうとした。

「…ごめん。」

突き放そうとする私をジヨンは力強く抱きしめながら、私の耳元で小さく囁いた。びっくりして、思わず手を止めた。

「…お願いだから誰にも言わないで。」

え？

「…頼む。」
「…ジヨンさん？」

懇願するジヨンの声に私の母性本能が刺激されたのか、こんなことをされたのに、本能的にジヨンを助守らなくちゃ、と思った。

「ジヨンさん、こんなの絶対ダメです。やめてください。」
「…分かってる。分かってるけど、無理なんだよ。」

ジヨンはそう言うと、その場にしゃがみ込んで、頭を抱えた。今にも泣き出しそうなジヨンは、まるで小さな子どものように見えた。

「…自分だけでは自分を支えられない。…こうでもしないと…」

どうして、どうして？

ジヨンが抱えている闇の深さや心の重みが痛いほど伝わってきて、私まで泣きそうになった。こんなに素晴らしい才能を持った人なのに、神様は意地悪なの？どうしてこんなに彼を苦しめるの？

「他に…誰がこのこと知ってるんですか…？」

ゆっくりとジヨンに尋ねると、ジヨンは下を向いたまま、

「…Aだけだよ。」

と呟いた。

頭にドラム缶が落ちてきたくらいの衝撃だった。
ジヨンを止められるのは、私しかいない。そう分かった瞬間に、私は腹をくくった。

「…ジヨンさん。私が付いてますから。頑張って一緒にやめましょう？」

気がつくと私は自然にジヨンを抱きしめていた。

これはジヨンだけの問題ではない。○○○にとっても、事務所にとっても、ファンにとっても、大きな問題だ。

私がジヨンを助けるんだ。

これが私とジヨンの始まりだった。