不器用な私たち (ページ42)

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42. you ページ42

「そうだった(笑) じゃあ、僕の携帯からかけてみるね。」

テソンがタプに電話をかけてくれた。

「…あ、もしもし？タプヒョン今時間大丈夫？……今Aの病院にいるんだけど、Aがお礼言いたいって……そう……代わるね。…はい、A。」
「もしもし、Aです。……ふふ、おかげさまで。…大丈夫です。……はい。あの、帽子ありがとうございました！とっても気に入りました。……あはは(笑)…はい……ありがとうございます、テソンに代わりますね。」
「帽子、Aにぴったりだったよ……うん……じゃあ、撮影頑張ってね……はい…じゃあまた。」

テソンが電話を切って、「タプヒョンの番号登録しとくね」と私の携帯を取って登録してくれた。

「ありがと。そういえば、こっちに来てびっくりしたんだよね、病院で電話していいんだ～って。」
「え？日本は駄目なの？」
「そうだよ。決められた場所でしか使ったらいけないことになってるの。」
「へぇ～。僕も日本の病院に行ったら気をつけようっと。」
「そんなことが起こらないで欲しいけどね。」

病院なんて、お世話にならないのが一番良いんだから。

「はは(笑) そうだね。あ、A、リンゴ買ってきたから剥いてあげる。」

やった！
…ん？でも…

「…テソン、剥けるの？笑」
「あ～馬鹿にしただろ～！」
「だって～(笑)」
「リンゴくらい剥けるから！笑」

テソンは流しでリンゴを洗い、私に見えないように背を向けてリンゴを剥き始めた。
大丈夫かな？笑

「怪我だけはしないでねー？」

「んー」と気のない返事。どうやら相当集中しているらしい。

慣れないことを頑張っている背中が愛おしかった。こんなに鍛えられて、男らしい背中なのに、リンゴを剥いてるだけで子どもみたい。
ああ、点滴がなかったら思いきり抱きつけるのにな。

「よし、できたー！」

テソンが自信満々に盛ってくれたリンゴたちは、見事に全部がたがたで。笑

「ありがとう。」

テソンが私にリンゴを運び、口に入れた。見た目なんて関係なくて、とても幸せな味がした。