不器用な私たち (ページ28)

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28. daesung ページ28

「テソンヒョン！美味しいイタリアンのお店見つけたんで、一緒に行きませんか！」

スンリからの電話だった。
一体毎日毎日誰と連絡を取って、どこで情報を入手して、遊んでいるのやら。スンリの活発さにはいつも感心させられる。ビッグバンの心配の種でもある。

特に予定もなかったので、スンリの誘いに乗り、ご飯へ行くことにした。

「駐車場無いんで僕がタクシー乗って、ヒョンの家に寄りますね！」
「分かった。」
「じゃあまた近くまで行ったら連絡します！」
「了解。」

スンリが来るまで、今日勉強した日本語の復習をした。
Aと付き合ってから、Aにも日本語を教えてもらえるから嬉しい。教科書の日本語だけじゃなくて、いろんな言い回しや気を付けなくてはいけない言動まで。
とは言っても、Aは大学時代から韓国語を勉強していたらしく、かなりペラペラなので僕たちは基本的に韓国語で会話をしている。

♪♪～♪♪～～♪～

スンリだ。

「ヒョン、もう着きます！」
「はーい。」

マンションの下へ降りていくと、ちょうど目の前にタクシーが停まった。ドアを開けてスンリの横へ座った。

「お疲れっす！」
「今日は僕だけなの？」
「みんな仕事らしいです。みんな何してるんすかね？俺たちだけ暇みたいですね(笑)」
「おい。笑」

笑いながら、窓の外を見た。
あ、ジヨンヒョンの家の近くだ………

ん？

まさにジヨンヒョンのマンションを通り過ぎようとした瞬間、Aらしき女性が中へ入って行くのが見えた。

「え？」
「どうしたんですか？」
「いや、何でもない…。」

あの鞄、Aがいつも仕事用に使ってるやつと同じ…。

「スンリ、今日はジヨンヒョンって…」
「仕事って言ってましたよ。」