不器用な私たち (ページ24)

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24. you ページ24

無事にお食事会を終えられてホッとしながら帰路についた。
ひとけのない道をテソンと手を繋ぎながら歩く。

「Aとスンリが友達になってくれて良かったよ。」

突然テソンがそう言って私に微笑んだ。

「じゃなかったら出会えなかった訳だし。」
「そうだけど…」
「A、ジヨンヒョンの言ったことなんて気にしなくていいよ。」

ああ、やっぱりはテソン何でもお見通しなんだな。
私は力なく笑った。

「スンリだってAのことちゃんと分かってたんだよ。」

テソンはやっぱり優しいなあ。

「…私、初めてテソンと会った日のこと、時々思い出すんだ。」
「え？」
「今までずっと遠い存在だったテソンが目の前に居ても、まだ遠いままだった。どうしたら近くに行けるんだろうってずっと考えてたんだけど、初対面では無理かーって諦めてたんだよ。だからね、あの時ーー腕を引かれた時は本当にびっくりした。」

テソンを見ると、恥ずかしそうに笑っていた。

「僕もよく思い出すよ。あの時は何ていうか、…磁石みたいだったな。」
「磁石？」
「知らない間にAの腕を掴んでた。それも、不可抗力？」
「あはは(笑)」

何それ。笑

「普通みんな表面しか見ないじゃん。その人の本当の姿なんてなかなか分からないし、知れば知るほど嫌なところに気付いてしまったりする。」
「そうだね。」
「だからAにビッグバンじゃないテソンに会いたいって言われた時にドキッとしたんだよね。」
「変なの(笑)」

なんだか小恥ずかしくなって、私は笑ってごまかした。

「ファンは普通そんなこと言わないよ？」
「…だって私、ファンって言うか、本気で好きになつてたもん。」

テソンはにっこりと笑うと、私の頭をぽんぽんと撫でた。

「ありがとう。」