不器用な私たち (ページ22)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:25,237 hit

22. you ページ22

私が心配していたのが馬鹿らしくなるほど、ジヨンは終始他人行儀な態度のままだった。私もそれに合わせて会話をして、なんの問題も無く時間が過ぎていった。

「なんだか、このメンバーと私でご飯食べてるのが、嘘みたいです。5年前の私に教えてあげたい。笑」

そう、5年前では私は普通のファンだった。

「Aとスンリはどうやって知り合ったの？」

ジヨンがタバコを吸いながら聞いた。

「僕の友達のお店にAちゃんが新しく入ってきたんですよ。それで、友達がビッグバンのファンの可愛い従業員が来たって言うから、紹介してもらったんです。それで気が合って仲良くなって、日本に行く時によく一緒に遊ぶようになったんですよ。」
「まあ、なんて言うか、Aがちゃんとした子だったから良かったけど、ほんとお前の行動にはヒヤヒヤさせられるな。」

ジヨンが小さくため息をついた。

「気をつけろよ。お前と純粋に友達になりたいと思ってるやつなんて一人もいないかもしれないんだから。」
「大丈夫ですよ。僕だってちゃんと人見てますから！」

スンリは自信満々に言い張った。

ああ、私にだって下心があったはず。ジヨンの言葉が胃に刺さった。

「Aこれ食べる？」

そんな私に気が付いたのか、テソンが食べていたチーズのおつまみを私にくれた。

「あ、これ美味しい。」
「でしょ？もう一個頼む？」
「うん、ありがとう。」

テソンの観察力にはいつも感動する。その場の空気を読むのが早いし、気を遣うのも上手い。

だからこそ、こんな風に二人と同時に会うのは心臓に悪いんだけど。

「ちょっとお手洗い行ってくるね。」
「「はーい」」

私は席を立って、店の奥にあるトイレへ向かった。

ふう。
なんとか今日は乗り切れそうだな。

鏡の前で軽くメイクを直して、トイレのドアを開けると、そこにはジヨンが立っていた。