【ハイキュー!!】王様の双子は頭のねじが外れてる。

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田中さんを挟んだことで、二人との距離が取れ、Aの息が徐々に落ち着く。
鎮静剤はまだ大丈夫そうだと安心していると、今度は月島が横から現れ、

「もう、田中先輩、だめじゃないですか。エリートの方々が困っちゃってますから。」

田中先輩に加勢しだした。
Aはすっかり、普通のAに戻っていて、

「今私……何かした？」

と、不安げに俺に聞いてきた。
俺は首を横に振って、Aの頭をなでる。
そして、二人を、主に国見の方を睨みつけながら、

「Aは、《お前たちも》壊したんだぞ。」

と、言っておいた。
Aの手を引いて、三年生の後を追う。
後ろから、

「あ、ちょっと影山ー？」

という、月島の憎たらしい呼び声が聴こえたが、気にしない。
今は、Aの落ち着く場所を見つけることが先決だ。

「……飛雄……」
「……お前のせいじゃない。Aは気にしなくていい。」

人を落ち着かせるより、自分が落ち着けよ、ボケが。
非常に、自分が腹立たしかった。

　試合開始前まで、Aとあの二人は目が合わなかったので、一先ず薬は要らなかった。
武田先生に薬を託して、整列し、早く試合が終わってくれることを願う。
幸い、《あの人》はまだ、コートに来ていない。
気付かないまま、終わってくれるといいのだが。

「…………全部、俺のせい。」

最初のサーブが、飛んでいく。
ちょっと《あの頃》を思い出して、Aの方を気にしてしまった。

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