家の前、茶色いドア板を見つめて金色のドアノブに触れる。ドアを開ければ、私は家に入れる――はずなのである。
「よお、お帰り」
銀色の天パの侍が私の視界に入ってきた。
即座にドアを閉めた。
もう一度ドアを開ければ
「あ！ 一緒に飯でも食わねっ？」
ピンクっぽい薄茶色の短髪をした呪術師の少年がいた。断ってからドアを閉めた。
次にドアを開ければ、六子の変態長男が着替え中だった。
「あん！ えっち！」
空のペットボトルを投げつけておいた。
ドアの先には違う世界が待っている。
これは、私の家のドアに限らないのである。いつでもどこでも、私が扉という扉を開けようとしたら、別の場所につながるのである。
「どうなってるんだよ私の手……」
ドアの先に正常な世界が見えて、やっと帰れたと思ったら。
「ちゃおっす！ こっちの珈琲飲みに来たぞ」
「いや、なんで貴方はこっちに来れるんですか」
黒服ヒットマンの赤ちゃんを抱き上げて帰らせようとする。
「やっぱ君の家きれいに掃除されてるねー」
「臨也さんいつの間に……」
新宿の情報屋も私の家に来れるらしい。
とりあえず、生活しにくいということだけは確かである。
※色々なキャラが出てきます
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作者名：刹那#桜 | 作成日時：2020年12月30日 13時
