TO BE WITH YOU (ページ8)

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「ね、若せんせ、どう？」
「どうって、何が？」

パスタをくるくるフォークに巻き付けてぱくりと食べる。トマトクリームにエビの出汁が効いていて美味しい。
潤君も、よくパスタを作ってくれたな。

「あんた彼氏いないって言ってたじゃないの」
「だから？」
「翔先生も、彼女いないんだって」
「大学の医局に所属しているんでしょ？忙しすぎて彼女作る暇ないんじゃないの？それか特定の彼女は作らないとか」

あのビジュアルで、お医者さんなんて、モテるに決まってる。

「翔先生はそんな適当な人でも、器用な人でもないわよ」
「お母さん、私」

櫻井先輩推しの母が面倒で、彼氏がいるって言おうと思ったけど。

私、まだきっと和君の彼女じゃない。
待ってて、って言われたけど、あれから何の発展もない。

「なによ？」
「そっちのパスタも食べたいなー」

はいはい、と言って母が私のお皿に取り分けてくれたカルボナーラは。

「ねえ、潤が作るカルボナーラの方ががおいしいでしょ？」
「うん、同じこと考えてた…」

潤君だったらもっと胡椒を効かせて、生クリームはもう少し控えめで。
潤君は私やお父さんお母さんの味の好みを知り尽くしているほど、近くにいた。

「あの子は今どこで何してるのかしらねー？A、連絡取ってないの？」
「うん」

最後に連絡取ったのは、いつだっけ？

私が今、彼女のいる人と関係があるって知ったら、潤君は何て言うんだろう。
それが、和君だって知ったら、何て言うんだろうか。