TO BE WITH YOU (ページ5)

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「うおっ。懐かしー。どしたのこれ？」
「ふふ。実家から持ってきたんだよ。和君喜ぶかと思って」

この間実家から、小学生の頃潤君とたくさん遊んだファミコンとそのソフトを、私は和君のために家に持ってきた。

日曜の昼間からビールを飲みながら、和君がうちでゲームをして、私は隣で寝転んでそれを見る。

私はゲームが下手糞で、子供のころから潤君が器用にコントローラーを動かしてゲームをするのを見るのが好きだったから、和君ともこんな風に過ごせるのが嬉しい。

彼女とは別れてないんじゃないかな、と思いつつ、それを和君に聞くことはできない。

和君の家に行きたいなってなんとなくほのめかしてみても、散らかってるからとか適当な理由でやんわりと断られるし、平日は残業で忙しいからって、仕事が終わってからデートをすることもなく。土曜日の午後は、お父さんの仕事の手伝いがあって私の都合が悪い。

唯一会える日曜日も毎週会えるわけではなくて、会えたとしても私の家でそれぞれゲームしたり本読んだりして過ごすだけ。

どこか一緒に外に出かけたいなと思うこともあるけれど、だけど一緒に過ごすのんびりした時間も私には心地良くて、これもありかなとも思う。

結局和君と一緒にいられればそれでいいのかな。

ゲームに飽きた和君とアルコールの匂いのするキスをしたら、決して大きくはない和君の手のひらが、吸い付くように私の体をゆるゆると撫ではじめて、私の体は簡単に和君に解かれる。

和君に抱かれるたびに彼女に申し訳ない気持ちが湧く半面、高校生の頃から燻っていた気持ちが放たれて、男の人の表情で私を見下ろす彼を知れて嬉しくて。

それは一層、快感も幸福も増幅させる。