TO BE WITH YOU (ページ22)

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「生田君、どうしたの？」
「吉田、もしかして具合悪い？」
「え？何で？」
「さっきは真っ赤な顔してたのに、急に青ざめたから。悪酔いでもしたのかと思って」

壁に寄りかかって私を見下ろしていた生田君が、覗き込むように背を屈めた。

「大丈夫だよ。今日も働いてたから、ちょっと疲れてるだけ」
「ああ、書道教室？」
「そうそう」

戻ろうか、と生田君が私の背中を押したから素直にそれに従って皆がいる席に戻ったら、私と生田君の席は他の友達が移動していて、皆盛り上がっていた。

正直ホッとした。
また和君の隣に座るのは、辛い。

私達はテーブルの端の空いている席に座った。

「松本は元気？」
「私もあんまり連絡とってないよ」
「そうなんだ」
「生田君、潤君と仲良かったよね？」
「うん、でも最近は俺も連絡とってなくて」

て言うかさあ、と新しく運ばれて来たビールを飲みながら、生田君が呟いた。

「お前達、つきあってなかったんだな」
「潤君と私のこと？」
「うん。俺さあ、ちょっとショックだったよ」
「何で？潤君に隠し事されてたから？」
「まあ、それもそうだけど」

知らないことや隠しごとがあるって、結構堪える。

再会してから、和君が誕生日迎えていたなんて、知らなかった。
故意に隠されてた？

私だったら。
誕生日を祝って欲しいとか、プレゼントが欲しいなんて言わないけれど、だけど。
好きな人と、一緒にいたいよ。
それだけでいいのに。

和君は、違ったのかな。

生田君がオーダーしてくれた熱いお茶を飲んだら、アルコールが抜けて冷えてしまった身体がじわりと暖まった。

「吉田？そろそろ、お開きだって」
「あ、うん」
「二次会、行く？」
「うーん、どうしよう」

私達はぞろぞろと店の出口に向かった。

帰りは和君うちに来るかな？なんて思ってたけど。
和君の方は、見れない。