TO BE WITH YOU (ページ17)

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「お腹空いた？何か作ろうか？」
「んー、何が出来る？」

冷蔵庫を覗くと、レタスとトマトとチーズがあって、冷凍庫には挽肉がある。

「ハンバーグとサラダかな」

ハンバーグが大好きな和君の為にね、いつでも作れるようにしてあるんだよ。

「A、先にシャワー浴びてきたら？」
和君も私の隣で冷蔵庫をふむふむ言いながら覗く。
「そうだね、なんか髪も海風でベタベタしてるかも」
「ゆっくり入っといで」

夏が近いけれど、夕方は少し冷えたから、熱いシャワーが気持ち良い。

疲れた、けれど、やっぱり外にご飯食べに行きたい。和君とデートしたいよ。だって和君、いつもよりちょっと綺麗目な格好していた。いつもはジーンズにTシャツにパーカーみたいな格好だけど、今日は細めの黒いパンツに麻のシャツを着てて、つまり、格好良くて。

そう思ったらゆっくりなんてしてられなくて、急いでお風呂から出た。

「和君？あれ？」
いつもの指定席、リビングのソファーの前にいるはずの和君がいない。

「あ、ゆっくり入って来いって言っただろーが」

キッチンでゴソゴソやってる和君に近づく。

「せっかくびっくりさせようと思ったのにー」
「どうして？」
「A、すげー疲れて見えたからさ、たまには俺がご飯作ってもいいかと思って」

シャツを捲った腕が小刻みに揺れて、レタスを千切りにしていく。
フライパンには炒めた挽肉があって。

「何作ってるの？」
「出来てからのお楽しみ。ほら、髪乾かして」

ニコって笑ってから、和君はまた自分の手元に視線を戻して集中し始めた。