けもののはなし【ワンピース】 (ページ9)

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どうして……？ページ9

体内の酸素が無くなり始め、意識が朦朧としてきた。

水も大量に飲んだみたいで、咽せ返り余計酸素を吐き出してしまう。

もう本当に危ないようだ。

まあ、死ぬなら死ぬでいいや。

この腐りきった世界とはさよならだ。

誰もが私の死を喜ぶだろうな。

大好きな自然に帰れるなら、なんでもいい。

でも。

最期に愛されてみたかったな。

その刹那。

私の腕は強引に掴まれ、光の差す方へ引きずられて言った。

体が空に踊り、誰かの腕が腰に絡まる。

まさか。

そう。

エースとサボ。

彼らが私を助けてくれたの……？

信じられない。

視界がぼやけ、誰が川から引き上げてくれたのかはわからなかった。

「ずらかるぞ！」

「俺は逃げない！」

「はあ！？こいつでもここまで追い詰められたんだぞ！」

「俺だけでもこいつは絶対に仕留めるからな！」

「無茶しやがって……！」

喧嘩をしているような声が聞こえたけれど、これぐらいしか聞き取れなかった。

私がわかっているのはここまで。

あとは視界が闇夜に攫われたように暗くなったから、知る由がなかった。