4-2 名探偵と、甘いもの ページ15
『乱歩が解決出来無かった事件なんてな……』
そう続けたAを制止して、乱歩が喋りだす。
因みに、おにーさんと呼んだのは最後の優しさである。
「あーあー、A、駄目じゃないか。この人達は僕の凄さなんか一ミリたりとも理解していない。
Aがキレるのも分からなくはないけどね。
取り敢えず、此処に来ることは伝えてあるんだし、中に入れてくれない?」
「……あ、嗚呼」
Aらの勢いに軽く押され、渋々中に通してくれた。
『……乱歩、御免ね。声を荒げる心算は無かったんだけど』
「いいよ。Aが助手で平和に終わるとは思ってないから。
でも、名探偵を尊敬する姿勢は評価してあげてもいいかな」
『ふふ、ありがとう。ちゃちゃっと解決して、あいつらにギャフンと云わせよ……』
国木田の様な露骨さはないが、乱歩の探偵ぶりを心から尊敬しているのだろう。
口には普段出さないが、ふとした時にその念が垣間見える。
ー ー ー ー
『おぉ! さすが、乱歩!
ねえ、おにーさん! ほら、乱歩凄いでしょ!』
あのあと、事件現場を見るなり乱歩はいとも容易く事件を解決してみせた。
Aが何か役に立ったのかといえば、そんなことはないのだが。自分のことの様に笑顔を浮かべている。
「あ、嗚呼」
呆気に取られながらも首を縦に振る「おにーさん」。
「ま、名探偵に任せればこんなの朝飯前だね!
さ、Aお菓子食べに行こ」
『うん、行こう。
あ、おにーさん、さっき云ったことちょっとは反省しててよね!』
実に嬉しそうにそう云い残して、二人で仲良く去っていった。
ー ー
「先ずは此処だね。此処のプリンは凄く美味しいからね」
『プリン!』
早々に仕事を片し、甘味を求めてやってきた二人。
事件の解決なんざ、前菜に過ぎない。
『みんなにお土産いるかな?』
「それは最後に買って帰る方がいいね」
『あー、そっか。じゃあ、最後ね』
探偵社きっての甘いもの好きが寄れば、甘味屋を数軒まわるのは当たり前だ。
目に入った所に片っ端から入っては、食べ歩く。
二人で来れば一つ頼んだものを半々に分け、結果二倍の種類を食べられるという算段である。
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霜月まぎか(プロフ) - 妃有栖さん» え、え、読んでくれただけで死ぬ程嬉しい有難う!!!私も書きながら泣いた(( (2018年1月10日 23時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
妃有栖(プロフ) - 読破遅くなってしまって申し訳ない……ちょっと真面目に泣いたんだけど……夢主くん最初はめちゃくちゃ可愛いショタだって思ってたら最後はもう……!涙出てきた……夢主くん辛いけど幸せだっただろうねぇ…… (2018年1月10日 22時) (レス) id: 6bd3aaf7a9 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - りつさん» 有難う御座います!現在進行系で読んでくださる方がいらして嬉しい限りです!頑張ります! (2017年12月9日 19時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!これからも応援してます! (2017年12月9日 11時) (レス) id: 9f104312a4 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - おこめりんぐさん» 有難う御座います!!え、凄い嬉しい…!!同じ受験生何ですね!頑張りましょ!応援とかコメとか本当に有難う御座いますうう (2017年11月27日 16時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
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