虎杖処刑回避編 第1章 8 ページ44
虎杖side
「__おはよー」
誰かに頭を揺らされ、俺は目が覚めた。側には常先生がいた。
「もしかして……成功した?」
こんな事を言って、フラグ扱いになったら嫌だが、今すぐにでも結果を聞きたかった。
「おっけーおっけー。さっき、無事宿儺を分離出来たよ」
常さんはそう言いながら、1つの赤い球体を見せてくる。
「これ何?」
「これねー、……宿儺の入った疑似モン○ターボールだよ」
「……は?」
俺はその言葉に耳を疑い、もう1度その球体を凝視する。
禍々しい雰囲気は感じられる。
しかし、呪力は全く感じないない。
強いて言うなら、常先生の帳のみ。
「宿儺の呪力、術式を全てを帳で虎杖君個人の生得領域に移して、ここにいる宿儺は呪力も術式も無い無力な魂だよ」
つまり、今俺の中には宿儺の術式が……え?
「ほら、見る? ……出て来い、宿儺!」
帳がパァンッと弾け、中から半透明の宿儺が現れる。
その表情は嘗て無い程に怒っていた。
「おい小娘。貴様、俺を祓うんじゃなかったのか?」
「祓えませーん。だってぇ、たかが帳だよ?」
「俺は今、その帳によって閉じ込められているのだが」
どうやら、現在、常先生が宿儺の魂を帳によって形を得、宿儺の姿にしているらしい。
「ほら、別の姿にも出来るよ。ほら、五条さん」
「本当だ! 五条先生だすげー!」
帳の形が変わり、魂の器である帳が変形し、今度は五条先生の見た目となる。
「……おい小m「戻れ、宿儺!」
宿儺のブチ切れを感じた常先生は、すぐさま宿儺を疑似モン○ターボールに戻す。
「……常先生が死んだら、宿儺はどうなるの?」
「私が死ぬ時、恐らく、帳も上がるのね。だから、その時は私の生得領域に宿儺を直接入れさせ、私の魂ごとあの世行きだよ。そうすれば世界の均衡も大して崩れない。虎杖君の生得領域で無理矢理縛りを付けたから」
自分が死んだ時まで予想しているとは、本当に特級呪術師だ。
規格外過ぎる。
「さぁ、さっさと上層部にあく、ゴーストタイプの呪いポケ○ン、両面宿儺を見せに行こうよ」
「……常先生が処刑されない?」
「……大丈夫。だって私、五条家当主だし。その辺はイケる」
……そこだけは汗ダラダラなのは何故ですか、常先生?
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陽毬(プロフ) - くささん» どうにかまだ見ぬはっぴぃえんどに帳を利用して書こうとしたらこんなことに……。帳の応用はほんとによく考えたのでそう仰っていただき嬉しいです! コメントありがとうございますm(_ _)m (2022年12月28日 0時) (レス) id: d9289f95ee (このIDを非表示/違反報告)
くさ - 宿儺を祓うんじゃなく疑似ポケ◯ンボールに突っ込むとこ、流石です。めちゃ面白かった〜!! (2022年12月27日 23時) (レス) @page47 id: 56aae56e91 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - Mさん» 最後まで読んでくださりありがとうございますm(_ _)m 長編だったのに読んでいただけるのは本当に嬉しくてたまりません……。面白いと思っていただけて何よりです! (2022年11月13日 23時) (レス) @page47 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
M - めっちゃくちゃ面白かったです!!!! (2022年11月13日 23時) (レス) @page47 id: 4b18ae76aa (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - マリオットさん» 随分と長かったのに読んでいただきこちらこそありがとうございますm(_ _)m 自分もこうして書いたり皆様の作品を読むことで凄く呪術廻戦への愛情を感じます。私も呪術廻戦めっっっちゃ大好きです (2022年8月25日 13時) (レス) id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月14日 17時