帳って本当にチート術式だった件【呪術廻戦】

虎杖処刑回避編　第1章　4 ページ40

貴方side

「＿＿きろ。はよう起きぬか小娘!」
「アダッ」



　腹を蹴り上げられ、私は目覚める。
　辺りは真っ赤な液体と白骨が広がり、白骨の山の上に宿儺がいた。



　私はどうやら、蹴落とされたみたいだ。
　背中がキシキシと痛い。



「帳術師、俺を連れ出しに来たのか」

　宿儺は嘲笑を混ぜながらそう言う。
　明らか「無理だろ」みたいな顔をしている。



　……そうなんだよ。
　無理なんだよ。
　私は宿儺に難しい帳を降ろすと言う鬼畜な使命の元、ここにいるからな。



「まぁそうだね。因みに宿儺さんはここから出たくない?」
「お前によっては連れ出されん」

　質問ガン無視で否定されたのは何?



「……でも、このままだと貴方は虎杖君と共に殺されるんですよ?」
「ハッ。因縁の相手ですらある貴様に封印される位ならば、此奴と死んだ方がまだましだわ」



　因縁の相手も何も私は宿儺とこうして対面し、話すのは初めてだ。
　私、私が知らない所で宿儺の邪魔でもしてたのかな?



「まぁ、今の私は仮状態を用いているので、貴方には殺されませんよ。……時間はまだあります。どうせ退屈でしょうから、少しお話しません?」

　私がそう尋ねると、宿儺は心底面倒臭そうな顔をした後、ニタリと笑った。



「良かろう。この際貴様に貴様が俺の因縁の相手である理由でも語ってやろう」
「ええ。是非」

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