臨時教師編 第2章 2 ページ10
あなたside
＿＿「私が隠れるまで10秒。10秒だけ待ってね。場所は高専の校庭のみ。制限時間は……30分かな」
昔、皆とやった隠れんぼの設定のまま決める。
因みに、五条さんが鬼でこの設定で隠れんぼすると、開始5分で全員捕まるよ。
敢えて私を1番最後にして、ギリギリまで時間待って、ぬか喜びさせられた事はあった。
あの時はもう本当舐められたと思って、キレたよね。
幼い頃の私、キレ過ぎな。
「でも、校庭なんてまっさらだし、常さん1人だし、30分も大丈夫?」
確かに一見私に圧倒的不利だろう。
しかし、私は一応特級呪術師。
隠れんぼ位どうって事無い……筈だ。
「虎杖、釘崎。先生は隠れんぼなら相当強いから大丈夫だ。寧ろこの条件でも俺等は不利だぞ」
「……なんだか舐められてない?」
「舐めてないって!」
釘崎さんの疑いの目から逸しながら、大声で叫ぶ。
私は五条さんみたいに自分が嫌なことされても、人にし返さないから。
「……じゃあ、常さんが負けたら、私達に何か奢ってよ。で、常さんが勝ったら……何かするから」
「おっけー」
正直「何かする」なんて無くても良いのだ。
てかそれより、高校生3人分奢るって、研究で貧乏人の私には中々キツくないですか、釘崎さん?
……しゃあねぇ経費で落とすか。
「じゃあ、恵は10秒数えて」
「分かった。……10、9、8＿＿」
私は皆が目を瞑ったのをしっかりと確認する。
そして、詠唱を省略し、まずは透明の帳を降ろす。
透明の帳は私が2つ目に出来た帳の応用技だ。
透明の彩度を上げ、一見、どこにもいない様に見せるのだ。
隠れんぼにはうってつけ。
しかし、やはり幾つか弱点がある。
(さて、期待の新人さんはどう来るかな……?)
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作者名：陽毬 | 作成日時：2021年6月10日 16時
