臨時教師編 第1章 3 ページ6
虎杖side
「御三家関係者じゃなくても、ド田舎の呪術師達も知る事となった大事件なのよ?」
野薔薇がやや興奮して喋る一方、伏黒はずっと押し黙っている。
てっきり興味が無いだけだと感じていたが、あからさまに顔を背け、いかにも【俺は何も知りませんよ顔】を貫き通している。
「そう言えば、伏黒も禪院家の分家じゃん。誰が初めて常先生の婚約者になったか、知ってる?」
「確かに! 私もそれだけは知らないのよね。何か極秘にされているとか」
釘崎も乗り気になり、伏黒の肩を掴み、揺すり出す。
「……俺は何も知らn「え? 恵が常の婚約者になったんじゃん?」……五条先生?」
伏黒の捻り出す様な声に重なり、五条先生が何か言う。
(……え?)
「「伏黒が常先生/さんの元婚約者ぁ?!」」
俺等がそう叫んだ途端、伏黒は五条先生を鋭く睨み付け、自分の頭を机にガンッと伏した。
「……先生、そういうのは言わない方が良いって分かりませんかね? 空気読みましょうよ」
「いやぁ、その内バレるんだろうし、今の方が良いかなってね」
「ありがた迷惑の極みなんですけど……」
一方、五条先生は何も無かったかの様にいつも通り、ヘラヘラと笑っている。
「おまっ……え? だって数年前って、伏黒は中学生だろ……?」
釘崎が先程より、伏黒を激しく肩を揺らし、顔を上げさせようとする。
伏黒はそれに耐え、必死で顔を隠す。
「俺だってなりたくてなったんじゃねぇんだよ! よく常といるから……」
「「常?!」」
普段から名字呼びの伏黒が名前呼びなんて……
「完全にデキてんじゃん」
俺の気持ちを代弁する様に、釘崎がボソッと呟く。
「違ぇよ。家庭的な事情が少しあって、同棲した時期があって……」
伏黒曰く、親が蒸発し、禪院家に売られそうになったのを、五条先生に助けてもらったらしい。
同じく五条先生に助けてもらった事のある、当時中学生の常先生と、一緒に住んでいたらしい。
常先生が高専に入学し、高専の寮に住む様になってからは変わったらしいが。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時