幼魚と逆罰編 第1章 13 ページ45
貴方side
「お前の主は誰だ?」
「ふーん、気になる? じゃあ代わりに俺を見逃せば良いんじゃない?」
「それは駄目だ」
あぁクッソ。
ここに狗巻君がいたら、無理矢理独白させられたのに!
「まぁ良いや。俺は久し振りの七三術師とそこの虎杖 悠仁と戦いたいんだ」
そう言うと、真人は私が自分に帳を降ろす間も一切与えず、私の鳩尾に右ストレートを食らわした。
これから沢山帳を降ろす予定だったから、自分の帳を上げていたのを完全に忘れていた。
痛みには慣れていた。
しかし、最近はあまりにも痛みを感じていなかった。
「カハッ」
(こんな痛み、昔五条さんとの任務で食らった時よりは、痛くない、痛k……)
自然と瞼が重くなり、睡眠を限界まで我慢した時、寝落ちの直前の様に意識が落ちて行く。
「常さんッ!」
(待って、まだ、まだ……もうちょっとだけ……)
七海side
「ありゃりゃ? 特級呪術師って意外と弱かったりする?」
目の前の特級呪霊はそう不愉快な笑いを噛み締めながら言い放った。
「百衣の言う通り、近距離じゃくっそ弱いね。それに自分の守りだけは疎かにするって……馬鹿でしょ? この場合では周りがどんなに死んでも、君だけが生き残れば、勝ちだったろうに」
呪霊の言う事は至極当然の事だ。
しかし、どうにも納得が行かない。
「……貴方、人間を舐めていると、痛い目に合いますよ」
「痛い目? そうだなぁ……」
下品に笑いながら、今度は気絶した常さんに蹴りを食らわせる。
「こんな事?」
あまり筋肉の付いていない軽い体が宙舞った。
まるでスローモーションの様に見えた。
「……虎杖君、行きますよ」
「おう!」
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時