幼魚と逆罰編 第1章 12 ページ44
貴方side
「……皆で纏まって俺と戦うのかい? 俺、結構不利だと思うんだけど」
「で?」
特級呪霊と言えど、流石に数に圧倒されたのか忽ち慌て始める。
「俺、手加減が苦手なんだよね。百衣ったら現特級呪術師を殺さないで、連れ帰るとかどんな難題だよ」
七海の生唾を飲み込む音がした。
『百衣』。
そのあまりにも嫌な名字には聞き覚えしか無い。
数年振りに、聞いたその名字。
嘗て、私が五条さんの義妹になる前に使っていた名字だ。
そもそも、私が1度伏黒家に婚約させられたのは、法律上では絶縁出来ていなかった百衣家が、私を売ったからだ。
呪術師家系と言えど、たかが帳を降ろすだけ。
呪術師ならば殆ど誰でも出来る術式だ。
それ故数年前まで、百衣家は潰えそうになっていた程にだ。
お金に相当困っていたのだろう。
私が婚約破棄の為に百衣家に乗り込んで暴走して、宗家をボロボロにしたのだ。
その場にいた百衣家の関係者は、全員帳に押し潰されて重症。
五条さんの手助けが無ければ、窒息死をしていた人もいただろう。
それに、五条さんの手助けによって私も上層部からの呪詛師認定も免れた。
本当に五条さんさまさま。
そして、五条さんの止めによって百衣家は完全解体。
当時、当主だった私の
個人の行方はよく分かっていない。
私は五条家へ正式に入り、名字も五条に変えた。
それにしても、何で特級呪霊と百衣家が……。
私が高専で過ごしていた間に、そんな悍ましい事をしていたのか。
たかが帳を降ろすだけなのに(強調)。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時