帳って普通にチート術式だった件【呪術廻戦】 (ページ42)

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幼魚と逆罰編　第1章　10 ページ42

貴方side

「順平君、今すぐ其奴からh「嫌だ。真人さんは良い人だ!」……」

　……見事に思い込んでいる。

　その真人という名前らしき呪霊が良い奴?
　そんな訳が無い。

　今、彼の後ろにいる、真人と呼ばれる呪霊は、ニンマリと意地の悪い笑みで順平を見下ろす。
　まるで、昔、孤児院に現れて、立て籠もって、私達を人質とした呪霊の様に。

「困ったねぇ。まさか最近巷で話題の五条常まで来ちゃうとは。特級呪術師って案外暇だったりする?」
「私が例外ってだけだよ、呪霊」

　やはり、七海さんの報告通り大分流暢に対話が出来るのか。
　残念な事に、呪力的に見ても、あの呪霊が絶対雑魚という事にはならなそうだ。

　取り敢えず、私は全員に順平君を同じ帳を降ろせば、真人のアイデンティティとも言える、七海さんが怪我をする程の術式を防げるだろう。

　私達の間に冷ややかな空気が流れ、静まり変える。

「あ、それはそうと……」

　そう言いながら、真人は順平君の体に手を掛けた。

「はっ?!」

　真人の手はバチッと弾かれ、反対側の壁まで吹っ飛んだ。

　真人の手は肌が無駄に白いのに反し、赤く焼け爛れる。
　うわぁ。
　モザイクいる?

「……おい、特級呪術師。お前何をした?」

　呪霊が先程の余裕な笑みとは打って変わり、余裕の無い表情をしている。
　痛い?
　痛いのかな?
　其奴は良かった。

「何って簡単さ。君とのお喋りの間に順平君に君には到底上げられないような、順平君を守る帳を即興で降ろしたんだよ。しかも、呪力を流した時だけの条件付きだから、君が順平君に故意で攻撃しようとしたって丸分かりだね」
「は?! 帳?! しかも、帳って詠唱が……」

　真人は目を皿の様に見開く。

「あ、もしかして、さっき外の雑い帳降ろしたの君? 君みたいな帳初心者なんかと比べないでよ。私レベルになれば帳なんて詠唱無しで降ろせるから」

　そう言えば、帳と君の残穢が同じだね。

　全く、特級呪霊らしいのにあんな帳なんて帳降ろすのド下手かよ。
　伊地知さんの方がまだ帳を降ろす点では上手いわ。