幼魚と逆罰編 第1章 8 ページ40
貴方side
そんな時だった。
プルル、とスマホが鳴る。
普段から戦闘時でも気付けるよう、音が鳴るよう設定しておいた為だ。
「はい常です。現在任務中の為、五条さんのパシリには不対応でs「常先生?!」……虎杖君?」
通話先は虎杖君だった。
酷く焦っているのか、粗い吐息が聞こえる。
……違う。
焦っているだけじゃない。
恐らく今、走っている最中だ。
だって、吐息の裏に激しい足音が混じっている。
「今ッ、順平が学校で暴走してッ……」
順平は高専から既に学校まで向かっていたのか。
「虎杖君、どの学校? 順平君の学校?」
「そう! 俺も今、向かっているから、速く来て!」
順平君は七海さんの資料ならば里桜高校の筈だ。
……ここから割と近い。
体力の無い私でも走ってギリギリ行ける位だろうか。
「虎杖君、お守り、お守りよ! 紐を引けば良いから!」
「なんか引こうとすると、宿儺に強制的に入れ替わって、紐を引いかせてくれないんだよ!」
「ハァ?!」
まさか、虎杖君が1回死んだ時もそれで引けなかったのだろうか?
改善点が改善出来てないまま次の失敗に繋がりそう……。
てか、なんで宿儺に妨害されるんだよ。
何か私、宿儺に嫌な事したっけ?
そう考えながら高専から飛び出て走る。
五条さんが最強なのは呪術だけでなく、体術も上手いからなんだろうな。
だから、私は全然五条さんの最強を妨げる程の力も無いし、特級呪術師よりずっと劣る。
精々歌姫先輩と同じ準1級呪術師位だろう。
私が歌姫先輩より強い訳無いじゃんか(絶叫)!
__事実それから30秒後、私は息切れしていた。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時