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幼魚と逆罰編 第1章 6 ページ38

吉野side

「……何故ですか? 理由を聞かないと答えられないです」

 暫くの沈黙の後に、そう声を押し出す。



 次の瞬間、五条さんはキョトンとし、後に悲しそうな顔で笑った。



「その呪霊が凪さんを襲った可能性が高いからだよ。関節的に、だけどね? ……まぁ普通理由を知らなくとも、答えられる筈なんだけどなぁ」



 その言葉を聞いた瞬間、体の血液が沸騰と逆流した様だった。思考が纏まらなくなる。



(真人さんが……母さんを襲った……?)

 そんな訳無い。
 真人さんは優しいんだ。
 呪霊は優しいんだ。
 人間(僕を虐める奴ら)なんかよりずっとずっと。



 ……僕は何を迷っているのだろう?
 出会ってから、暫く経った人か、1日も経っていない人。
 どちらを信用すれば良いか明瞭だ。



「ッ」

 真人さんに伝えに行かなきゃ。
 真人さんが危ないんだ……!



 その場がどこでどの様な構造かもよく分からないけど、立ち上がってすぐさま扉から出る。



 横から伸びる五条さんの手から、間一髪で逃れる。



「……すみません、五条さん。真人さんは僕にとって大切な人なんです。そう簡単に悪い呪霊(ヒト)なんて思えないんです」

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設定タグ:呪術廻戦 , チート   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時

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