幼魚と逆罰編 第1章 4 ページ36
貴方side
……ようやく順平君を部屋に押し戻した。
先まで起きて饒舌に語っていた凪さんも、今ではすっかり酔い潰れている。
私は冷えない様に凪さんにブランケットを掛けた。
ここは何やら少し寒気がするみたいだし。
「……やっぱりね」
今、どこからか送られたのか、テーブル上に突然現れた宿儺の指を、帳で呪力ごと覆い、摘み上げる。
先程から今か今かと待つ様に、宿儺の指の気配があっちに行ったり、此方に来たりしていたのだ。
だから、危ぶんでいたのだ。
宿儺の指の回収の為にも順平君や凪さんを寝かせて正解だった。
凪さんにお酒を進めたのは流石にどうかと思うけど。
……それにしても、宿儺の指を送り付けて来るなんて、明確に凪さんか順平君を狙ったと分かる。
どこのどいつだか知らないが、ただの呪詛師が何ら関係無い非術師家系を襲うとは決して思えない。
嫌でも呪詛師等と関わりがあったのだろう。
恐らく順平君が濃厚だろうな。
今回の本来の事件の犯人の呪霊辺りと繋がっていそうだ。
昨晩、伊地知さんを介し、七海さんから『事件の犯人であろう呪霊と接触出来た』と知った。
宿儺の指の呪力を求め、部屋に攻め入ろうとしていた呪霊達を、宿儺の指で釣りながら外に引き寄せる。
呪霊達がサァーッと波が引く様に、順平君達の家から離れる。
それと同時に、私に呪霊達が押し寄せる。
宿儺の指は五条さん辺りにでも帳で輸送し、家は帳で保護した。
「さぁ、いっちょ【チキチキ☆眠気に勝って、深夜テンションで呪霊祓っちゃおう】を開始しますか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陽毬 | 作成日時：2021年6月10日 16時
