受胎載天編 第2章 8 ページ29
あなたside
__「……常さん」
後ろから私と同じくぐったりした釘崎さんに話し掛けられる。
今日も、釘崎さんも凄い投げられていたからなぁ。
私も同じく位投げられたけど。
「何?」
「……虎杖が死んで、どう思った?」
震える声で釘崎さんは続ける。
「化け物が死んで良かったとか?」
「……そんな訳無いじゃない」
最近、釘崎さんに何があったかなんて知らない。
だって、ずっと、籠もってたから。
「……常さんまで駄目にならないでよッ……」
その言葉にハッとする。
私はいつまでもただ悲しむ立場として引き摺るのではなく、私がちゃんとしなきゃ。
だって、私より辛いのは私より一緒にいた釘崎さんや恵だもの。
「……分かったよ」
さて、私はその期待にどれ程答えられるだろうか?
五条side
「……だってさ、五条」
医務室で硝子と言葉と廊下の常と野薔薇の会話を盗み聞きし、にんまりと笑う。
「まぁまぁ。及第点って所かな」
常が部屋に籠もっちゃった時は一体どうなるだろうと不安に思っていたが、野薔薇や恵のお陰で持ち直したようだ。
これならまだ、呪術師をやっていけそうな位には狂っていそうだ。
「相変わらずお前の性格の悪さはどうなんだ?」
「嫌だなぁ。素敵な兄妹愛か師弟愛とでも言ってよ」
「兄妹愛は兄妹愛でも義兄妹愛だろ?」
常は僕の初めての弟子、生徒でこれから呪術界を本気で変えるのにも重要な人物だ。
「まだまだ強くなってくれると良いけど」
いつの日にか、僕と同じくらい最強になるまで。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時