帳って普通にチート術式だった件【呪術廻戦】 (ページ25)

今日:13 hit、昨日:54 hit、合計:87,416 hit

受胎載天編　第2章　4 ページ25

あなたside

「常さーん、遊びましょー?」
　自室の扉の外から久し振りの釘崎さんの声が聞こえる。
　その声はどこか心配そうだった。

　先生、遊べないよ。今ちょっと忙しいから。

「……先生、扉開けて下さい。もうしばらく何も食べてないですよね?」
　恵の声も聞こえて来る。

「ほら、伏黒。アンタは『先生』じゃなくって、「常」呼びでしょ?!」
「……常、出て来てよ」

　だんだんアナ○雪の女王的な展開になってません?
　別に氷の魔法なんか使ってませんけど。
　強いて言うなら帳の呪術ですけど。
　……世界観180°変わってない?

「……釘崎」
「急かすな伏黒」
(ん?)

　ガサゴソと音がし、外から何やら呪力を感じる。

「いっけー!」

　バキッと音がする。
　大変、大変嫌な予感がした。
　恐る恐る振り返ると、扉が横に大きく罅……割れ目が入り、床に外の光が差し込んでいる。
　扉の一部だったであろう木片も散らばる。

「……クギサキさん?」

　まさか、扉を金槌で叩き壊したんじゃ……。

「開けたわ伏黒。今すぐ常さんを外に連れ出しましょ!」
「分かってる」

　止めのバキッと音がし、恵の脚が見えた。
　……恵まで扉に蹴りをかました?

　恵がその隙間から入り、素早く中の私をおぶる。
　あ、そこお姫様抱っことかじゃないんだね。
　いや、別に全然良いんだけども、……私救助されているみたいなんだけど。