受胎載天編 第1章 1 ページ18
あなたside
「……虎杖君が死んだ? 恵と釘崎さんが怪我?」
「……はい」
伊地知さんからの報告にもう1度鸚鵡返しする。
今日は朝から緊急上層部の定例会という名目の元で上層部に呼ばれた。
緊急なのに私より重要な五条さんと夏油さんはいない。
海外で任務中の乙骨君と由基さんはしょうが無いとしても。
つまり、私1人だった。
緊急の割には内容も薄くて、しょうもなく、長ったらしかった。
いつ決めても良い内容なのに何故今? と何度考えたか。
まぁそれも、虎杖君を確実に殺す為、特級呪術師を彼の周りから避けさせたという糞みたいな理由があるのだろう。
その上、定例会が終わっても、禪院家の次期当主候補の禪院 直哉さんに執拗に絡まれ、いつもより帰るのが遅くなった。
__『君が五条 常ちゃんか? ……あんまり好みの女じゃあらへんわ』
彼が初対面で私に発した言葉である。
『私だってお前が好みじゃないわ』。そう言わなかっただけ、褒めて欲しい。
__今日の定例会終了後も、禪院家の次期当主候補の直哉さんに絡まれた。
五条さんの義妹になって1番初めの定例会からずっと絡んで来るのだ。
『……なら、だる絡みしないで下さい』
『それができたら、とっくの昔にしとるわ。俺だって当主になる為色々必死なん。我慢しとき』
直哉さん曰く、現禪院当主、彼の親の禪院 直毘人さんから【当主にならせる事を引き換えに、五条 常を婚約という手段で禪院家に引き込め】と言われたらしい。
どうやら禪院家は未だに私のいうしょうもない結界術を狙っているようだ。
『馬鹿馬鹿しいわ。私年上そんなタイプじゃないから。年齢自覚しろ、アラサー』
『アンタのお師匠様だかお義兄さんもそんなもんやろ』
『禁断の恋してないから。その上同じアラサーでも五条さんの方がましだから』
まぁ、話もそこそこ面白いし、私を惚れさせようと必死な姿はとても滑稽で面白かったので、……面白かった。ごめん、直哉さん。それ以上は表現出来ないや。
私を惚れさせるとか、一生できないだろうね。
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作者名:陽毬 | 作成日時:2021年6月10日 16時