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「事務用品で切れそうなものってありますか？」
「そうですね…ホチキスの芯と、メモなどに使用するコピー用紙が心許ないです」
「すまん、朱肉のインクも頼む」
「分かりました、減りが早いものは少し多めに発注しておきますね〜」
「藤原先輩、ここの漢字間違ってます」
「あっホントだ…すぐ直すね、ありがとう！」
「書記なのに漢字間違うってどうなんですか？」
「石上君も、コピーする前に気付いたけどここだけ書式違う」
「げっ」
「あれれ〜？会計なのに気付かなかったんですかぁ〜？」
「あ、早坂先輩、伊井野さん来ますよ」
「うそ、スカート下げとこ〜助かる〜」
「いえいえ〜…伊井野さん！」
「あっ、桜庭さん！」
「それ体育祭関係の書類でしょ？私持って行こっか？」
「ホント？助かる…！」
「風紀委員の方、今忙しいでしょ？雑用あったら遠慮なく言って〜」
生徒会「庶務」。
基本の業務は、一言で言えば「雑用」だ。
でも、いつもと大して変わらないなぁ〜なんて思う。
「桜庭さん生徒会入ったってホント！？」
「そう〜お誘い貰ってやることになった！」
「確かにAちゃん庶務っぽい〜」
「へぇ〜かっこいい〜！」
「庶務の仕事頑張って！」
「頑張る〜ありがと！」
…なんて会話も挟みつつ、私は庶務の仕事に打ち込んでいた。
事務用品の補充とか、書類のコピーや整理が主な仕事。
イベント、今で言う体育祭とかがあると、書類関係の仕事が増える。
他の役職との明確な差は、仕事がハッキリ決まっていないところである。
なので当然…
「構内に猫が迷い込んじゃったみたいで…！」
「焼却炉付近にゴミが散乱してて…」
「最近、彼氏の対応が冷たいんです」
「屋上の使用許可の件で…」
「雑巾の予備ってありますかー？」
「誰かからの視線を感じるんです…」
…多種多様の雑用が舞い込んでくる。
中にはそれ私に頼むか？と思わざるを得ない内容のものもあるが、
それも生徒会の信用のため、と自分に言い聞かせる。
「お疲れ様、桜庭庶務。
業務内容をまとめたいから、大まかに今日やったことを聞いてもいいか？」
「事務用品の発注、書類の最終確認…
…猫の保護と焼却炉周りの清掃と校内の使用許可申請の説明、清掃用具の予備を引っ張り出して交際状況の把握から発言と対応を見直し冷たい彼氏への対応策考案とストーカー行為を働く生徒の説得と撃退、それから…」
「分かった！分かったからストップ！」
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作者名：帳 | 作成日時：2022年5月17日 16時
