3枚目 ページ4
伊井野ミコは目撃する。
毎朝、クラスで一番に登校する彼女。
しかし、彼女が自分の席に荷物を置くタイミングで、必ず登校している生徒が一人。
クラスは別だが、開いた教室のドアからその生徒は声をかけてくる。
「おはよ〜伊井野さん！」
彼女は伊井野の返事を聞くと、満足そうに自分の教室へと向かう。
通りかかった際に知ったが、彼女もクラスで一番に登校し、
夏場は窓を開け、冬場は暖房のスイッチを入れている。
石上優は遭遇する。
体育の授業が終わり、彼は自分の教室に戻っていた。
そこに現れる見覚えのある人物。
すれ違う人物に声をかけたりかけられたりしながら、一人で廊下を歩いている。
「あ、石上君だ！体育終わり？」
彼女は当然のようにすれ違った石上にも声をかける。
石上が肯定すると、暑いからと水分補給を促し彼女は去って行った。
藤原千花は出会う。
昼休み、部活で使うゲームを運んでいるとき。
藤原は何も無いところで派手にすっ転ぶ。
ハワハワと落ちたものをかき集めていると、視界の端から手が伸びてきた。
「手伝いますよ〜あ、これ見たことあります！」
手は動かしながらも、彼女との会話に花を咲かせる。
つい話し込んじゃいました、暇なときにでもゲーム誘って下さい、と言い残し、
手を振りながら彼女はその場を後にした。
四宮かぐやは発見する。
放課後に目に入ったのは、廊下で言い合いをする男女。
内容を聞く限り、おそらく痴情のもつれによるものだと推測できる。
野次馬もこれ以上増えるといけないと思い、声をかけようとした。
「四宮先輩の前だよ、ストップストップ」
彼女は、はしたないって思われちゃう、と野次馬を解散させ、
これじゃ冷静に話し合いも出来ない、喧嘩したくてしてる訳じゃないもんね、
と男女に言葉をかけ、静かな場所に行くよう促した。
去り際に、四宮にペコリと一礼して。
白銀御行は巡り会う。
勉強のため、白銀は度々図書室を訪れていた。
故に一人、図書室に入り浸っている人物がいることも知っている。
「動物図鑑と宝石図鑑です！小学生用の！」
何を読んでいるのか聞いたときは、そのレベルに驚いた。
彼女は小学生レベルの本、しかも図鑑を至極真剣に読んでいるのだから。
次に会ったときは、生物の教科書と鉱物図鑑。
その次は海外版の生物学の論文、鉱山や鉱物関連の歴史書。
僅か数日の出来事だった。
それが桜庭Aである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：帳 | 作成日時：2022年5月17日 16時
