10枚目 ページ11
「でも、それって人狼側が結構不利なんじゃ…」
「そんなことはありません。村人か人狼か分かるのは一晩に一人までですし、
人狼側にも役職は存在します。人狼のサポートをする役割ですね〜」
「「狂人」とかですかね」
「そうです！」
藤原と石上は人狼ゲーム経験者、これはかなりのアドバンテージである。
対して白銀、四宮、伊井野、桜庭は未経験者。
しかし、彼らは腐っても秀知院学園のトップである。
よって初心者であろうが何ら問題はない。
「では、役割の存在しない「村人」を二枚、村人か人狼か分かる「占い師」を一枚、
夜に誰か一人を人狼から守れる「狩人」を一枚、人狼が勝ったら自分も勝ちの「狂人」一枚、
そして村人をバッタバッタと殺す「人狼」一枚の計六枚でやってみましょう！
私も参加したいので、ゲーム進行役として早坂さんを捕まえてきました！」
「よろ〜」
トントン拍子にゲームの説明と役職の割り振りが決まり、
各々の手元に役職の書かれたカードが配られる。
「では、勝った陣営の人は負けた陣営の人に何でも命令出来るってことで！」
「えっ罰ゲームあんの！？」
「あったり前じゃないですか！じゃないと燃えませんよ！」
藤原ノリで設けたこの罰ゲームに、全員見事に食い付いた。
あまりのやる気に若干引き気味の早坂。
衣擦れの音への対策として、全員生徒会室の端へと散らばり夜を迎える。
「朝になったから目開けていいよ〜」
「こんな感じに夜を迎えます、まぁ初日ですし人数も人数なので、
人狼は明日から行動です。よって死者はいません！」
「あ、僕ＣＯいいですか」
「しーおー？」
ＣＯ、つまりカミングアウトである！
このゲームは騙し合いと推理！情報量が多ければ多いほど推理が進む。
「僕占い師です、対抗いますか？」
「対抗っていうのは、役職被りのことなんですけど…
…被りはいなさそうですね〜」
「誰を占ったの？」
「桜庭が白」
「お〜助かる〜」
ここで全員の脳内はフル回転、脳内推理が開始される！
石上が仮に本物の占い師だとする。この場合は桜庭が村人チームということに。
しかし、石上が狂人もしくは人狼だとする。
すると、まず最初に白だと言われた桜庭が怪しい。
だが狂人は「人狼が勝てば自身も勝利だが、人狼が誰なのかは分からない」。
それで最初に人狼にピンポイントで潔白だ、と言うのは確率が低い。
ましてや、石上が人狼ならここでＣＯするメリットはほぼ無い。
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作者名：帳 | 作成日時：2022年5月17日 16時
