古代の軌跡 (ページ12)

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「・・・落ち着いたか？」
『ん・・・大丈夫。ありがとね。でもさ、私、今リィンに話した過去に、漠然とした違和感を感じるんだ。なんか作られた・・・みたいな』

ひょっとしてこの記憶は本物ではないのではなかろうか。
そんな考えが頭をよぎる。

「・・・そうか。でも、もし分かったら教えてくれ。ロイが1番伝えたいと思った人の後でもいいから。な？」

あぁ、もう。反則だ。そんなこと言われたら、真っ先に君に伝えるしかないじゃないか。

と愚痴をつきつつ、ロイはようやくこの気持ちを理解した。

＿＿＿＿好き。

ロイは、理解した途端、アリサ達には負けるまいと思った。

そして、実技テストがやってくる。
リィン、エリオット、ガイウスは旧校舎の件もあってか、1番速かった。

「さて、最後に、ロイ！あんたとは、あたしと戦ってもらうわ。」

『うぇっ！？』
「ちょっ！サラ教官！それは流石に・・・」
とアリサが反論してくる。

『いいよ、アリサ。サラ教官、その話、乗ります。』

「そう来なくっちゃ♪・・・紫電のバレスタイン、参る！」

『トールズ士官学院Ⅶ組、ロイガー・ルーデンヴェルグ。参る！』

「はっ！せいっ！」
『ちっ！』
ガキン、ガキンと音がする。
近接系のサラ教官とは流石に相性が悪いと判断したのか、ロイは魔導書を斧に変化させ、応戦していた。

『・・・っ！！！』
「これで終わりよ！」
サラ教官がブレードを振り下ろそうとした時だった。

ロイの背から、真っ赤なドクン、ドクンと脈を打つ翼がでていた。

それは、サラ教官のブレードからロイを守るようにして広がっていた。

ロイが起き上がる。
「・・・！？なにか様子がおかしい！」
ガイウスがいち早く気づいたようだ。

「みんな、屈め！早く！」

リィンの尋常じゃない剣幕に、全員が驚いてすぐに屈んだ。
フィーはいち早く気づいていたようで、数m離れた樹の影にエマとエリオットを連れて退避していた。

『ヴゥゥゥゥ・・・ヴオオオオオオオオ！！』

「第二ラウンド、開始っぽいわね！」

暴走したロイとサラ教官の、第二ラウンドの戦闘が、幕を開けた。