古代の軌跡 (ページ2)

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序章ページ2

ライノの花が咲き誇るトリスタ。
そこではその日、トールズ士官学院の入学式があった。
トリスタの街の公園で、少女＿＿ロイガー・ルーデンヴェルグはベンチに腰掛け、眠っていた。

その時だった。
『君、士官学院の入学生なのか？』
と、声をかけられ、我に返る。
そこには、自分と同じ、紅い制服に身を包んだ黒髪の少年が立っている。
『はい、そうですけど・・・貴方は？』
「あぁ、俺はリィン・シュバルツァー。君は？」
『ロイガー・ルーデンヴェルグです。宜しくお願いします。』
と、軽く自己紹介をする。
「そうだ、よければ、一緒に行かないか？」
と、誘いを受ける。まぁ暇だったし別にいいだろう。
『はい、お願いします、リィンさん。』
「リィンさん、は、よしてくれ。敬語じゃなくて、普通に頼む。」
『・・・、そうか。じゃあ宜しく頼む。リィン。』

そう話をしながら、2人は歩いていく。
「にしても、珍しいな。ロイガー、なんて普通男子に付ける名前だろう？」
『さぁ、知らないよ。じゃあ今度からはロイって呼んで。』

咄嗟に思いついた渾名だが、以外としっくり来た。
「こんにちは！えっと、リィン君とロイガーさんでいいんだよね？」
と、話しかけられた。見ると、ロイガーよりも低い生徒であろう少女がいた。
「・・・何故俺たちの名前を？」
「あ、ちょっと事情があってね。それじゃあ、申請した品物を預からせてもらうよ。」
と、恰幅のいい青年が話しかけてくる。
一応、武器を渡しておいた。

「若者よ、世の礎たれ。」
と、元気そうな長身の老人が話している。
あの人こそ、ロイガーを拾ったヴァンダイク学院長である。
はなしが終わると、「紅い制服の子たちは注目～！」
と声をかけられる。
今日はやけに声をかけられるな、と思いながら、リィンと新しく知ったエリオット、という少年とともに歩みを進めた。