100話 ページ7
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季節はひとつ巡り、暑さの厳しい季節となってきた。
太陽の光は肌を焼き、ジリジリとした暑さに汗が1滴頬を伝った。
「もー7月か。早いもんやな」
グルッペンさんがそう零す。
オスマンさんが前世を思い出してから約1ヶ月が経つが、新しい収穫はゼロ。
動くに動けない状態のまま待てを食らっている。
「俺らが任せた仕事既にやってくれとるから助かるわ」
トントンさんが伸びをしながら言った。
現在は、生徒会室で課題パーティー中。
参加者はトントンさんとグルッペンさんと私のみ。
たまたま3人ともやるべき課題があった為、どうせだから終わらせて行くかと集まったわけだ。
『残ってる仕事ははチーノに任せっきりの学校新聞くらいですからね』
「まあアイツなら大幅に遅れることは無いやろ」
『ですね』
「それにしてもお前、前世と比べて随分頭良くなったな」
グルッペンさんは私のノートを覗き込みながらそう言った。
そりゃあ、かなり頑張りましたから、私。
『新しい事を知れるのは楽しいです』
「あぁ。いつの時代もそれは変わらんな。
……が、伸びすぎじゃね？」
「それは思うわ。
その物理基礎の範囲俺苦手やし。なんでそんなスラスラ解いてんのか分からん」
「敬語も知らなかったあの日のAは何処へ……」
『いつまでそのネタでいじる気ですか！』
ギロリとグルッペンさんを睨めば、おぉ怖、なんてクスクスと笑われた。
1度手が止まってしまうと、中々課題に手がつけれない。
そんな中、生徒会室の扉がゆっくりと開いた。
「た、助けて〜……」
情けない声と共に。
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作者名：叶海 | 作成日時：2023年6月30日 7時
