99話 ページ6
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「あ、そうそう。俺の事尾けとる奴出ておいで〜」
『あぁ、追及するんですね』
ゾムさんの目線の先。
そこにはシャオロンと大先生が。
ロボロさんと食べてた時にも来ましたよねあなた方。
「えぇ、バレてんの？」
予想外だったわ、と言いながらシャオロンさんが潔く出てくる。
大先生もそれに引っ張られる形で出てきた。
「ゾムが珍しく階段向かったから気になってん」
「すまんな〜Aちゃん。悪趣味なシャオロンが」
「お前もノリノリやったやろ！？」
『別にいいですけど。
一緒に食べます？』
「おん。そのつもりやで」
シャオロンさんは手にぶら下げていたコンビニ袋を置いた。
中にはパンが1つ。
コンビニのパン1つでは私は物足りなく感じるのだけど、食べ盛りの彼はその量で足りるのだろうか。
ゾムさんも同じ事を思ったのか、もっと食えと言いながら大先生のコンビニ弁当の野菜をシャオロンの口に放り込んだ。
「何で俺の取ったん！？」
『シャオロンさんの健康の為ですから仕方ない犠牲ですね』
「せや。仕方ない仕方ない」
「この野菜微妙ちゃう？」
「コンビニに謝れ」
2人が来たことで、屋上は一気に騒がしくなる。
この空気感が、私は結構好きだ。
ワイワイやってるのを眺めるのが好き。
私が3人を眺めながら白米を頬張っていると、シャオロンが私の方を向いた。
「Aちゃんはコンビニ弁当とちゃうんやな」
『私のは母親の作ってくれたお弁当ですね』
「Aちゃんも料理したりするん？」
『基本的なものは出来ますけど、複雑なのはちょっと』
「意外やな。
レンジで卵爆発させてるタイプだと思ってたわ」
『ゾムさん失礼すぎません？』
昼休みの数十分。
大した内容の無い話は様々な方向に移っていき、気づけば予鈴が屋上に鳴り響いた。
「この数十分で茉白ちゃんの事結構知れた気するわ。
また一緒にご飯食べよな」
解散間際、シャオロンさんはそんな事を言った。
私も、皆さんの事が知れてよかったです。
笑顔で返した私に、ゾムさんは少しだけ顔を歪めた。
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作者名：叶海 | 作成日時：2023年6月30日 7時
