【d!】茫々 (ページ3)

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96話ページ3

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「おもろいゲームがあんねん、
一緒にやらへん？」

ゾムさんからそんなメッセージが来たのは午後8時の事。

ゲームを始めたのが午後10時。

寝た時間は……

もはや覚えてすらいない。

『寝坊した……！』

電車を飛び降りて、学校までの道のりを走る。

塀も家も飛び越えて、学校までの最短距離を突き進みたい気持ちに駆られるが、そんな奇行は出来ない。

交差点に辿り着き、右左右の順に車が来ていないかを確認。

信号のランプは赤色に光っていたが、私の足は止まらない。
白い線を飛び越えた。

幼い頃に「信号渡る時は右左右を確認してから渡りましょう」なんて教わった記憶があるが、実際この歳になって右左右を律儀に確認するのなんて信号無視をする時くらいだ。

縞模様を抜けた先を、また走る。

勿論、良い子は真似しないで欲しい。

私はこの行為を推奨している訳では無いからな。断じて。

くだらない事を考えながらも、足だけは止めない。