【d!】茫々 (ページ15)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:4,088 hit

108話ページ15

.

「そういや、文クラスの化祭の出し物考えてます？」

『あー、テスト後に決めるからある程度意見持っとけって言われたヤツね』

「何も考えてなさそうやな」

『何になってもちゃんとやるし』

「ほーん」

私の返答が綺麗事すぎて興味を失ったのか、本当にどうでも良さそうな声を発したショッピくん。

お菓子のコーナーから、ピザポテトのポテチの袋をカゴに入れた。

本音を言えばクラスでの文化祭に大した興味は無いが、やるとなったら仕事はこなす。

拒否したってクラスで浮くだけだし。

私のそんな考えが、彼にはバレているような気がした。

「今のとこ、男子は女子メインの出し物にする気ですよ。メイドカフェとか」

『それは女子も同じ考えだよ。執事カフェとか』

「考えることは皆同じやな」

裏方やりたいんやけどな、と言いながら今度はチョコ系のお菓子を物色する彼。

私が適当に選んだ物をカゴに突っ込んでおいた。

次は大先生リクエストの恐竜を発掘するチョコと、チーノくんリクエストのグミを作れるお菓子かある場所へ。

2人がご要望のお菓子はすぐに見つかり、ショッピくんがそれをカゴの中に入れた。

『どうせなら面白いお菓子買っていきたいよね。
これとか』

目に入ったお菓子をショッピくんに見せる。

3つの中に一つだけ酸っぱいのが入っているロシアンルーレットのお菓子。

これは絶対不味い。

「ええなそれ。
……って、此処タイヤグミ売ってへん？」

『うそ？』

「ほら。あそこ。
買ってってみいひん？」

『アリ。罰ゲームとかで使お』

「よしきた」

満場一致(2人だけだが)で購入が決まったタイヤグミ。

カゴに他のお菓子と紛れさせるように袋に詰められたソレ。

絶対ゾムさんとかに嫌そうな顔されそう。

グルッペンさんも、食べるってなったら渋りそう。

ま、喚かれようが吐かれようが食べさせるんですけどね。