【d!】茫々 (ページ11)

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104話ページ11

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「次はエミさん言うてもなあ〜……。
エミさんが大事にしてるAとの記憶て何や」

駅までの帰り道。

一緒に帰っていたコネシマさんがそう零した。

彼の隣を歩くロボロさんとゾムさんも、「分からん」と首を捻る。

私も考えてみるが、思い出なんて沢山ありすぎる。

その中のどれが彼にとっての大切な思い出なのかが分からない。

「エミさんやろ？
女の子と話すなんてレアなんやから話しかけただけで思い出したりせぇへん？」

「それやったらおもろいな」

「距離近くして親しい感じで話しかけたら思い出すとかな」

「それは動画回すわ」

3人がエミさんを玩具にふざけ始めているのを他所に、私は思考を巡らせる。

エーミールさんとした事。

私が1番感謝しているのは勉強面だ。

1度、それを試してみるのはアリかもしれない。

思い立ったが吉日。

早速、彼から勉強を教えてもらう機会を作らないと……

そこまで考えて、思い出す。

『あれ、あと1週間でテストでは……』

「「「あっ」」」