どうやら神様なんて変わり者しかいないようです

当たり前って人によって違うらしい ページ5

「ねー、なーに話してるのかなぁ…？」

部屋に入ってきたのは白髪で…水色の瞳で同じ色の服を着ている、笑顔の少女ですね…

「アルコ様…！いい所に来てくれましたわっ、さっさとこのサボり魔の首を飛ばしてくださいましっ…！」

その少女に1番に声をかけているのがセーラ様ですね。
…何も驚いてる素振りがないって事は、どうやらここの人達の中では先程の扉の開け方が当たり前らしいですねぇ…僕はあんな扉の開け方嫌です、驚いてしまいます…

「まーまー、落ち着きなって落ち着きなって、クビにしないから」

茜様は、セーラ様の言葉で苛立った顔で「あ¨ぁ…？」と何かを言いかけます、恐らく「自分はサボり魔なんかじゃないぞ」とか、そういう事を言おうとしたんでしょう。…が、アルコ様と呼ばれた少女の言葉によって中断されてしまったようです。

…実は神様なんですよね、この少女。
見た目は10代半ばに見える少女に、神様って出来るんでしょうか…放ってる雰囲気も全然神様らしくないんですが…。…逆に「神様らしい雰囲気って何なのか」と聞かれると、僕は答えられないですがね…。
…言ってしまえば今ここに居る全員、容姿など見た目だけでは神様になんて見えませんし。

「なっ…アルコ様は甘すぎるのですわっ、サボり魔の首なんてすぱっ、とすぐ飛ばしてしまえばいいのに…」

「貴女も、もちろん私も、今までアルコ様の心の広さに助けられてるのですから…」

「だから落ち着きましょ…？」という視線で、納得出来てないような…不満そうな顔をしているセーラ様を見ながらクロエ様が言います。

「ほれ見ろ、言わんこっちゃない。あたいがクビになんてなる訳ないんだよ」

「あっでも、だからってあんまり調子には乗らない方がいいからねー？」

茜様は片目を瞑り、なんだか勝ち誇ったような顔をしていましたが、茜様に歩み寄りながら…にーっこりと笑っているアルコ様に言われると、しゅんとしてボソッと「…はーい…」と呟きました。
別に裏のありそうな怖い笑顔って訳ではないんですよね、ただただ嬉しそうに、楽しそうに笑っているだけなのに、その笑顔が逆に怖いですよねぇ…

「さっきの言葉、そのまま返しますわよ。…言わんこっちゃないですわね」

「ええ…まぁ、確かに」

クロエ様とセーラ様は、茜様を暫く見てから、互いの顔を見て…くすっと少し笑います。
2人のその様子を見ると、茜様はなんだかちょっと悔しそうな顔をし、アルコ様は不思議そうに首をかしげました。

水女神様、サボりはよくない。→←迷惑だし扉は普通に開けてほしい

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