とある転生の最強少女-Cheat Girl- (ページ42)

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地獄の底までページ42

「アレ…って、今日何かあったっけか？」
きょとんとしていた上条だったが、じわじわとその顔に冷や汗が浮かび出す。
「今日は楽しい楽しい補習じゃあありませんでしたかァ？万年補修のかーみじょーさぁーん？」
追い討ちをかけた鈴科に対し、うわあああ！と焦りながらどたばたと準備しだす上条。
「そういえばインデックスはこれからどうするの？残るなら鍵渡すよ？」
そんな上条を見てニヤニヤしながら、先程から黙っているインデックスに訊ねた。
上条の部屋だということは考えていないのか、未元物質で作った鍵を取り出す。
「……、いい。出てく」
心なしか暗い表情ですっくと立ち上がり、幽霊のように鈴科の横をすり抜けていく。
フードを忘れている事さえ気づいていないようだ。

振り返りもせず出ていこうとするインデックスに、鈴科は静かに、それでいて力強く言った。
「ねぇインデックス。何かあったら迷わずここに戻ってきて」
部屋を出たインデックスが立ち止まり、振り向く。
「地獄の底までは行けないけど、絶対に引っ張り上げるから。神に誓ってもいい。
　僕等なら君を救える。必ずね」
伝えたい事を言い終えた後、目を見開いて驚いていたインデックスは一瞬泣きそうな顔をした後、
「うん。わかったんだよ。じゃあね、A」
それだけ言うと、振り返らずに走り去っていった。

(大丈夫、僕なら変えられる…それだけの、力がある)
「なぁ鈴科、携帯知らね？…ってあれ、インデックスは？」
「…空気読めよ、いい雰囲気だっただろうが」
「ええ？！どうして上条さんを睨むのでせう？！」
「死ぬの？死ぬよな？死ねよ、生き返らせてやるから」
「まさかの三段活用！？」

今までにない程イラついていた鈴科によって若干のダメージを受けた上条は、
その後車に轢かれそうになったり信号が赤ばっかりだったりと犬の糞を踏んだりと
怪我はないものの、不幸にまみれていた。

それもこれも〝いい話〟な雰囲気をぶち壊された事にイラついた鈴科によって
「イイ雰囲気までそげぶするとか流石にない。上条当麻は傷つかない程度の不幸に立て続けに遭う」
と言いながら黄金錬成を使われたからだという事を上条は知らない。