とある転生の最強少女-Cheat Girl- (ページ30)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:101,215 hit

偽者でしたァ～ッページ30

「あー…検体番号は？」
「五十四号です、とスズシナは初対面であることを告げます」
「五十四…か」
「はい。ところでお兄様…ヒーローに倒されたよォですね」
「あァ、清々しい程あっさりやられた」
「…良かったです」
「あ？」
「スズシナの知っているお兄様は…一万三十一人殺していましたからね」
「………、」
「一万三十二回目でヒーロー登場です。とスズシナは本来なら夏休み終盤に起きるイベントだった
　ことを告げます」
「オマエ…」
「…さて、今回は時間が押してまして。そろそろ実験なンですよ、とスズシナは実験場へ―――」
「待てよ」
スズシナの動きが止まる。スズシナの右手首を一方通行ががっしりと掴んでいた。
「オマエ等を…見殺しにできねェ。妹達を殺した俺が言える立場じゃねェが、オマエ等は俺の弟だ。殺されてたまるかっての」
「……おおお、これはミッションコンプリート…だな、うン」
「はァ？」
「あー、疲れるンだよなァこの口調」
急に性格が変わったスズシナに困惑気味の一方通行、
そんな二人のやり取りをミサカが静かに見ていた。

「ここでネタばらしといくぜェ？スズシナ五十四号＝三十二号＝一号でェす」
「…はァあ？！」
「スズシナは初めからこのスズシナだけ。実験なンてただの嘘でェす。アレもコレも全部お兄様の為なンだぜェ…？いやァよォやくクローンを人間として見てくれるよォになって嬉しい限りだ」
「……よしスズシナ、お兄ちゃンと遊ぼォか」
「面倒そうなンで遠慮しますゥー」
「兄の好意は素直に受け取れコラ」
「じゃあお兄様も素直に受け取れよー？」
「あァ、わかったわかった。よし、血液逆流と生体電流操作どっちがイイ？」
「どっちもいやでェす」

仲が悪そうに見えて仲のいい二人をミサカが暖かい目で見守っていた。
何とも言えない空間である。

～おまけ～
「そォいや俺の怪我…」
「あ、スズシナが魔術で治療しましたァ」
「魔術ゥ？ンなのあるわけねェだろ」
「それがあるンだなァ。まァヒーローと一緒にいれば嫌でもわかるぜ？」
「……アイツとか」
「…そォいえばお兄様」
「ン？」

「普通の学校……って、興味ないかァ？」