とある転生の最強少女-Cheat Girl- (ページ28)

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最強とクローンページ28

一方通行が目を覚ますと、そこは見慣れた自室だった。
あんなに痛かった筈なのに、痛みは完全に消えていた。
体を起こし、部屋を見回す。
何やらオカルト的なものがテーブルの上に残っていた。

(なンだ、ありゃ…)
魔法陣のようなものをじっと見つめていると、足音が聞こえた。
部屋の前で止まると、ガチャリと鍵を開ける音が聞こえた。
「誰だ」
まだ状況を理解しきっていない彼は警戒する。

「おや、起きていたのですか、とミサカは回復の早さに驚きます」
ひょっこりと顔を現したのは見覚えのある顔だった。
「…なンでオマエがここにいるンだよ」
「いてはいけませんか？とミサカは暗に文句があるならミサカに貴方の世話を任せたスズシナ三十四号とかいうクローンに言うように―――」
「暗に、ってその口調じゃなきゃわかンねェよボケ」

むぅ、と不機嫌そうな顔をしながらコンビニの袋をテーブルに置こうとして、
「おや、これはなんでしょう？とミサカは訪ねます」
改めてテーブルを見てみると、それはこの部屋のミニチュアのようにも見えた。
「さァな。俺の怪我が治ってンのはソレのおかげかもしれねェって事以外俺にもわかンねェわ。」
「そうですか、とミサカは一方通行にコーヒーを渡しつつ、テーブルに描かれたモノを見つめます」
「ってかよ、なンでオマエいるンだよ。俺が何したか分かってンだろ？」
「ミサカが巻き込まれないように飛ばしてくれました。全く、とはいきませんがかすり傷程度で済みましたよ、ありがとうございます。とミサカは報告しつつ、一方通行に礼を言います」
「礼だァ？はっ、何言ってンだか。恨まれる事はあっても感謝される覚えはねェぞ」

「そんなことありません、とミサカは訂正を求めます」
「…あァ？」
一方通行をじっと見つめ、いつも以上に真剣な三十二号を見て、一方通行は真剣に耳を傾ける。
「…あの後、上条当麻…貴方のいう〝ヒーロー〟に言われたんです。
　ミサカ達は一人一人が違うミサカで、同じミサカはいない。ミサカが死ぬことで悲しむ人がいるとそう教えてもらいました。とミサカはあの言葉を思い返しつつ告げます」
「ンで？もォ実験はしたくねェってか。まァ俺が負けた時点でもォ実験は終わりだろォけど」
「はい、実験は中止となりました。もし実験が続いていたとしても、ミサカは拒否するでしょう、
　とミサカは来ないであろう未来を考えつつミサカの意見を言います」
二十三号はやや上を見ながら、静かに力強く言葉を紡いだ。