決着 ページ27
「…確かにヒーローだよ、オマエは」
フラフラになりながらも、傷だらけの顔には笑みを浮かべている。
それは欲しかったオモチャを買ってもらった子供のような笑みだった。
「そろそろ終わりにすんぞ」
次の一撃で…決める。
「ッ、ォォォおおおおおっ!!」
運動量のベクトルを操作し、爆発的な速度で迫る一方通行。
繰り出された左手を払い、右手を避け、そのまま拳を握り―――
「歯を食いしばれよ、最強(さいじゃく)――――――」
二重の必殺を封殺され、心臓を凍らせた一方通行に上条は言う。
密着するほどの超至近距離で、獣のように獰猛に笑い、
「―――――俺の最弱(さいきょう)は、ちっとばっか響くぞ」
瞬間。
上条当麻の右の拳が」、一方通行の顔面へと突き刺さった。
その華奢な白い体が勢い良く砂利の敷かれた地面へ叩きつけられ、
乱暴に手足を投げ出しながらゴロゴロと転がっていった。
「…………、勝った…のか…?」
良かった。
安心した瞬間、糸が切れたように上条の体は地面に倒れ込んだ。
「大丈夫!?」
いつからいたのか、御坂がコンテナの裏から現れ、上条の元へ駆け寄る。
救急車を呼び終えた御坂は傷だらけの上条を見て、
「本当にやるなんてね。アンタには負けるわよ」
少量の涙と微笑みを浮かべながら、そっと呟いた。
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パンダ - 読んでて不愉快 (2015年8月1日 23時) (レス) id: ed20157c6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作者ホームページ:ホームページィ?知らない(`・ω・´)
作成日時:2013年1月14日 21時