とある転生の最強少女-Cheat Girl- (ページ24)

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ミサカのココロページ24

第二十五次実験から、一方通行の様子はおかしいままです。
妹達は全て一方通行が処分します。
ミサカ達の仕事は実験の痕跡を消すだけになりました。

あれから一方通行は実験を進める程、様子がおかしくなっていきます。
殺されるのが怖くないのか。
実験動物じゃない、人間だ。
実験の度にそういった意味の言葉を何度もかけられます。
他のミサカではなく、〝一方通行が話しかけているミサカ〟の意見を言え、と。

そんな会話は第三十次あたりからなくなりました。
代わりに『ヒーロー』という単語を口にする事が増えました。
ミサカ達がその『ヒーロー』について訊くと決まって一方通行はこう答えます。

『お人好しだ』

ミサカには一方通行がその『ヒーロー』をどう思っているのかは知りませんが、
その『ヒーロー』が来るのを待っているようです。
一体なんなのでしょう、その『ヒーロー』というのは。

第三十二次実験の時間が近づいています。

もう三十二か、と一方通行が言いました。
まだあと一万七十八回も実験は残っているのに、〝もう〟と言っていいのでしょうか。

『もォ、だよ。もォ三十二人も殺すんだなァ、って』

最近の一方通行の言動は理解不能です。

『ったく、手間かかるよなァ…俺もオマエも。まだヒーローは現れねェし？どォしろってンだか』

また言いました。その『ヒーロー』とやらはいつくるのでしょう。
少し気になるような気がします。

さて、時間です。
これより第三十二次、実験を開始します……

『実験を…やめろ』

ミサカでも一方通行でもない声が聞こえました。

ツンツンとした髪の青年でした。
一般人がどうしてここにいるのでしょう。

一方通行はずっと青年を見ていたかと思うと、ミサカに近づいてきます。

『御坂妹から離れろ！！』
御坂妹というのはミサカの事でしょうか？
そう考えていると一方通行は一瞬少年の方を見てから、ミサカの頭に手を乗せました。

『三十二号。できるだけココから離れろ』

今まで聞いた事のない、優しい声で一方通行は言いました。

何をするつもりなのでしょう。

『よォやくヒーローが来やがったからよォ』

あの青年が『ヒーロー』。

『これでもォオマエ等は死ななくて済むンだ』

何を言っているのですか。これから何をするつもりなのですか。

『さっさと行け！！…いい加減、俺がオマエ等のコトをどォ思ってるのかぐれェわかってくれよ』
そう言った一方通行は今まで見た事のない表情をしていました。