とある転生の最強少女-Cheat Girl- (ページ20)

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伝わらない想いページ20

「実験動物なンかじゃねェ。オマエは人間だ。御坂美琴の妹だろォが。
　こンな所で死ンでイイ筈がねェンだよ」
ゆっくりと、言い聞かせる。
一語一句を、意味を認識させるために、ゆっくりと、しっかりと。
「何を、言っているのですか…？ミサカは…単価十八万の、体細―――」
「人間なンだよ！！」
ギリ、と肩を掴む腕に力を入れる。
「ぅぐ…時間です…実験を、開始します」
あぁ。また駄目だった。
どうしても伝わらない。どうしてもどうしても。

「実験動物」
違う。オマエは人間だ。
オマエ等〝妹達〟は御坂美琴の妹で、人間だ。

何故分かってくれない。何故。

俺は今更止めれない。自分から止める事が……怖い。
だって。自ら止めてしまえば、今まで死んでいった二十四人の妹達はどうなる？
無駄死にじゃないか。

だから……怖い。

「スズシナ…オマエの言う〝ヒーロー〟はまだかよ…」
足元に転がったソレを見ながら、力なく呟いた。

ソレを抱える。
大事に、抱える。
人間だったソレを。
自分の手によって命を落としたソレを。

後処理をすると言い出した妹達を振り切り、自ら処分した。
涙はもう出なかった。

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「早くこいよ、ヒーロー」