30秒 【 ころん 】

３９ 秒 ページ40

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僕のことも呼び捨てにして とお願いされたが
あまりにも今の私にはハードルが高すぎるので却下した。


彼は不服そうだけど。



「 あのさ、キスしていい？」


『 っ、えぇ！？…そ、そんなのだめです！！まだ心の準備できてないですっ！！』


1度キスしたとはいえ
あれは事故みたいなもので、


いざするとなると、緊張が…。


下を向いてた顔をぐいっと上に向けられる。
たまに見せるあの、雄の顔をしてて、胸がゾクッとする。


「 うるさい。…うるさい口にはこーだ 」


顎を強く掴まれて
微かに リップ音が響いた。


強引に奪われて
優しく唇を撫でられた。



「 ちょっと強引すぎた？……強引なの嫌い？」



『 ………嫌いじゃないです』



そっかぁ、って髪をぐしゃぐしゃにされる。
まただ。

また彼のペースに巻き込まれてる。



「 ほんとすぐ泣くしすぐ照れるし忙しいね。まぁ、そこも可愛いけど 」



こつん と おデコとおデコがくっ付いて

また 唇が触れ合う。



今度は自然に
ゆっくりと、じっくりと



彼はもう私のものなんだ。
私の彼氏なんだ。
私は彼のものなんだ。
彼の彼女なんだ。



そう思うと優越感とか罪悪感があって
たくさんの幸福感に包まれて、もう満腹です。




「 っ、きっと、初めてあった時から、好きだったよ」





ただの紙切れから始まって


今あなたの腕の中にいて


たったの30秒が




いま、永遠になりました_____.

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