第15幕 ページ16
「ちょっと、なんでこれなの。他にもあったじゃん。」
大介くんは苦笑いしている。
私は真剣な顔で答えた。
「これが私の人生変えてくれたんです。これの座長の廣瀬大介っていう俳優が。」
大介くんは顔を隠すように口を手で押さえ、そっぽを向くと、何も言わずにキッチンへ戻った。
すると、大介くんはDVDに合わせて自分の曲を歌い始めた。
私はテレビの音量を小さくして、大介くんの方を向いた。
歌うのをやめてしまうかなと思ったが、私の目線に気づいた大介くんは苦笑いしつつも歌い続けてくれた。
〜♪
命燃やし あの人の為
剣となりて 返り血浴びる
それが僕の信じる道さ
生きる意味なんだ
〜♪
とても、これまでにないほどに幸せで、
幸せ過ぎてこれから何か起こってしまうのかと思うくらいだった。
大介くんは歌うのをやめたかと思うと、
「出来たよ。ほら、食べよう。」
と言いながら、夕食のオムライスを机に並べてくれた。
「美味しそう…っ!!」
私は大介くんを見てキラキラと目を輝かせた。
大介くんは嬉しそうに笑う。
「食べていーよ。」
「いただきます!」
私が幸せそうに笑顔をこぼすと、大介くんは急な質問をしてきた。
「夏樹ちゃんさ、舞台女優を目指す道って考えたことあった?」
私は一瞬固まった。
また大介くんに俳優をやめろと言われるかもしれない、と怖くなった。
「いや……あんまり、無いです…。」
大介くんは”そっか”と微笑んだ。
私はどうしてですか?と尋ねた。
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ココアちゃんだよん - 続きが気になります!! (2022年7月26日 11時) (レス) @page17 id: d0534e1594 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金春 | 作成日時:2017年12月21日 16時