誘惑 ページ27
ハクside
凛とした静けさな夜の中、
ただザッと地面を蹴り上げる音に風を切る音が響いていた。
ハク「なんつー身軽さッ…！」
目にも留まらない速さで突きを繰り出すAに、なんとかガシッと突きを受け止める。
夜という暗闇の中、俺は薄っすらと視界が見えるが、Aには何も見えていない。
しかし、それを思わせないような素早さに驚異のあまりであった
Aがいきなり あんな事を言い出したのには、理由がある
＿ 見えなくても、僕は守りたい。少しでも克服したいなぁ、なんて。
この間、自分の眼病を酷く辛そうに語るAが頭の片隅にちらついてしまった
なら、付き合ってやりますよ。そう了承した。
「っ……あぶなっ」
だが、Aは いつもより動きが鈍い。それが何よりの見えない証拠だろう
弾けるようにお互いが離れて飛び退くと、着地と同時にこちらからの攻撃。Aは地面に手を付きながら回転して避けた
汗が浮き始めた額を、涼しい風が優しく撫でてゆく。
「はは、やっぱり動きにくいなぁ…」
ハク「そのわりには速いですけどね」
二人は一度距離をとると、楽しそうな笑い声をあげた。
久しぶりの手合わせが こんな形で行うことになるとは思わなかったが、素朴に楽しいと思えた
一度動きを止めて、ほぼ同時に二人は間合いを詰める
…が、思いもよらないことに
地面から出ていた木の根にガッと つまずいたA。
「うわッ……！」
ハク「は…！？」
この一瞬の出来事に Aを受け止めようと手を伸ばすも、一緒に もつれ合って転ぶ。
ドサッ
…俺の下にAが仰向けで倒れている状態。それはまるで押し倒しているようで＿
ハク「いって…。大丈夫、か？」
「…っ、…ぅ」
＿＿＿あぁ、やっべ
月明かりによって照らされたAの姿は艶かしいものであった
服がはだけて覗く白い肌に、華奢で柔らかな体の曲線。
桃色の瞳は、痛みによって潤い、
全てが何とも言えない色香を放っている。
俺は、その人間離れした美しさと滲み出る色香に惑ってしまっていた
ハク「っ………悪い」
地面についているAの後頭部を右手で上げ、左手には顎に手をそえる。
そっと顔を近づければ、荒くなってしまっている吐息が聞こえた。
「…ぇ、ハク。どうし…………っ」
暗闇の中に響いたのは
唇に落ちた小さな音。
唇に伝わったのは、
甘くて柔らかい熱だった。
ラッキーアイテム
かんざし
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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翔(プロフ) - 初めまして、いつも楽しみに読ませていただいております。更新楽しみにしております。 (6月2日 21時) (
レス) @page32 id: c7d3164cef (このIDを非表示/違反報告)
メリエリ(プロフ) - どうもこんにちは！すごく面白いです！続きが気になります！また、時間があったら更新お願いしますっ！待ってますよ！！ (2021年6月27日 20時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
爺(プロフ) - はじめまして。暁のヨナを見てこの作品に出逢いました。表現がとても上手で続きがすごく気になりあっという間に読み上げてしまいました。とてもいいお話で続きが気になります。お忙しいとは思いますが更新待ってます(^_^) (2019年3月13日 23時) (レス) id: 5c4434e6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フジ - この作品大好きです！続き楽しみにしています！！頑張ってください！ (2016年7月12日 22時) (レス) id: d2069fecf0 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - 早く続きが見たいです〜笑 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年5月9日 16時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十朱 | 作成日時：2015年1月18日 9時
